「ゲーム規制条例」は依存症対策になりえない理由を解説。

「ゲームは1日1時間までだから」という親の口癖のようなものは、私が小学生くらいの年代の方なら覚えがあると思います。セーブ地点までもう少しなのに、1時間が経ったからと強制的に電源プラグを引っこ抜かれてデータがおじゃんになり泣きたい気分になる方もいたかと思います。

意外にも私の母親はゲームに対して一定の理解があり、申請時間(一応母親には何時間やることは言う)を超えてゲームをしても良いことになっていました。

ただし、超えた場合は説教と、勉強、家事の手伝いの延長という罰則はあったのですが…

とはいえ、時間管理という面ではその小学生時代で学び、結果としては当時私の学力では入れそうに無かった高校にもしっかり合格したという経緯もあります。

ちなみに今は時間を守って1日1~12時間と幅広くやっていますね!後少しだけを延々と繰り返すゲームが悪いんです!

 

さて、高橋利幸氏…高橋名人は「ゲームは1日1時間」と話しています。実際には彼自身のそれ以外でも遊んでほしいことや親や社会に対する理解、実際1時間自体には根拠が無いことも後々の話で上げています。

BuzzFeed

「ゲームは1日1時間」発言で知られる高橋名人が、香川県議会が検討するゲーム規制条例案への疑問を語った。…

ただ2020年1月、その「ゲームは1日1時間」を悪い意味で受け止めつつ、真に受けたかのような県条例の素案が香川県で通ろうとしています。

WHOにゲーム障害が認定され、日本でも法規制の動きが出ています。 皮切りとして、昨年、香川県で「ネット・ゲーム依存症対…

(NHKで出た香川県のゲーム規制条例のニュースは表示出来なかったです)

「ゲーム規制条例」…平日は1時間、休日は1時間半という縛りを作って、ゲーム依存症を対策しようという正義感の下で条例を作ろうとしているようですが、依存症という疾患は法律や条例で解決するものではありません。なのに、上からの押さえつけを強行しようというのには頭を抱えます。

そこで今回はゲーマーとして、そして医療に携わる医療者として、この問題条例について、依存症という部分を元に触れていきたいと思います

依存症対策の大きな要因にならない「ゲーム規制条例」

まず筆者が医療者として考える結論は、「ゲーム規制条例」自体が、ゲーム依存症に対する抑止力として大きく働かないです。

誤解してはならないのは、依存性の高いアルコール、タバコ、テレビ、ギャンブル、ゲーム…なんであれそれ単体だけで依存症になるわけではないということです。

様々な要因が絡み合って起こるのがこの依存症という病気です。とりわけ大きな要因が「ストレス」なのです。

依存症って何?

依存症という言葉にはこんな意味があります。

何かの慣習的な行動が、自分の生活や人生にダメージを与えているのに、意志の力ではそれがやめられない状態のこと
というものですね。
<参考HP>依存症って何?

これをゲーム依存症の一例を出すとするなら、

丸一日ゲームをし続け、満足にご飯を食べたり学校(会社)に行ったり家族と過ごしたり他の趣味活動をしたり友達と遊んだり眠ったりしない状態をさします。

ゲーム以外の人間的な楽しみを見いだせずに居る状態ですね。実際不健康であることが分かりきってるのに「楽しい刺激が無いと、精神的に判定になってしまうから」等といった理由で依存してしまう、という状態です。

なぜ依存症になるのか?

例えば、美味しい食事を取ると「ドーパミン」という物質が放出され、人には「楽しい」という刺激が加わります。これを繰り返すことによって人は生命活動を維持しています。

依存症も同じように、最初は楽しいことをして「ドーパミン」を放出したいがために何度も繰り返します。ただ、一定の同じ刺激を繰り返すとやがてその「ドーパミン」は慣れてくるためブレーキがかかるようになります。

また同じように「ドーパミン」を出すために、アルコールを増やす、ギャンブルの掛け金を増やす、ゲームの時間を増やす…といってエスカレートしていきます。

この積み重ねが依存症へと繋がるのです。

依存症になってしまう人は心の状態が安定していない

ここが一番大事な話です。

上の話が確かなら、世の中の人は皆依存症か依存症予備軍です。ですが、そういうわけではありません。

依存症になってしまう人と依存症にならずに程々で終わらせる人…ここには確かな差が存在し、その差は「心の状態」が大きな差になっています。。

例としては、

  1. 普段から強いストレスを感じている
  2. 孤独や劣等感を感じている
  3. いつも心が満たされていない

などと言ったもので、いつもこのような状態になっていると精神的にとても辛くなります

そんな辛さから逃れるために人はお酒、タバコ、薬物、ゲーム、人などに逃げるなど逃避行動を取ります。

結局はその辛さの原因となるもの自体を解消しない限り、いつしか依存症になるであろう物に対して辞めることが出来ずに続けてしまいがちになるのです。

なぜゲーム依存症が注目されるようになったのか。

さて、依存症には今までアルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症などがありました。

しかし、昨今のゲームに対する依存状況を踏まえて世界保健機関(WHO)がゲームにも依存症はあるとし、『ゲーム依存症』を新たに疾患と認定しました。

現時点ではゲーム依存症に対する疫学調査結果はなさそうでした。ネット環境の充実に合わせてゲーム環境も急速に進化しているため実態が把握しきれていないと思われます。

ただ、やはりWHOがゲーム依存症という疾患を提唱したために、ゲーム自体に対する注目度はかなり上がりました。日本ないし香川県のようにゲーム依存症に注目するのも納得といったところでしょう。

結論:ゲーム自体を制限しても意味がない。

依存症は元を断つだけでは解決するわけではないことは上に話した通りです。

現時点でゲーム依存症自体は疾患に認定されたばかりであり、明確なガイドラインや治療状況についてはあまりはっきりとはしていません。

ですが、依存症であるため、ゲーム依存症になってしまった経緯というのは明確に存在します。

子供は親の愛着、愛情無くしてまっすぐに育つことはありません。

ストレスフルな環境が子供をゲームへと依存させてしまうのです。

今現在はスマホやゲームが発達し、これが大きな依存の要因ですが、数年前はテレビ、そのさらに数十年前は…

時代が変われば依存する先は常に変わっていきます。依存症に対して「臭いものには蓋を」精神ではいつまで経っても解決することはありません。

誰のための製作なのか、誰のための規制なのか。

しっかり見据えて考えていかなければと思います。

 

今回は以上です。お疲れさまでした。

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