ウィロー的シナリオ作成論その1  ~クローズドシナリオとは~

『PL、PCはKPの手の平から嬉々としてダイブする』

悲しみにくれたウィロー

TRPGというのは得てして『自由度が高い』というのは強みでもあり弱みでもあります。

『クトゥルフの呼び声』は探索TRPGであるからして、その傾向がとても強いです。

そのため、初心者KPは色々イベントを配置したりしてもPLやPCはそのイベントを踏まなかったり、気づかなかったり、全く別ルートに行ってしまい、その対応に追われシナリオが破綻…

といった最悪な流れが起こることもありえます。

なので、当記事ではまずPLやPCを逃さない、動機を与えるということをテーマにどのような方法があるのかを答えていきたいと思います。

(今回はややクトゥルフ神話TRPGの話に主軸を置いています)

目次

閉じ込めろ!クローズドシナリオのススメ

選択肢を狭めることが勝利の鍵

『探索者達一行は、離島に住む友人から『別荘作ったから遊びにおいで』と言われ、休日揃って離島へと飛んだ。楽しい休日になるはずが…台風の接近、友人の死、悪夢…探索者達を恐怖へと誘う恐怖の…』

『山奥のホテル。観光旅行に来た探索者達はウキウキと一夜をここで過ごした。しかしその夜中に、『ドンドン』とドアを叩く音、何だこの夜中にと思い、ドアを開けると…そこには』

『ふと、目を覚ますとそこは見知らぬ小さな部屋だった。眼の前にはテーブルと、小さな皿と…』

上記三例は、現代社会から隔絶させた世界へと探索者を送るというものです。

これの利点は『PCが掠め手を使いづらい』ことと『イベント発生させやすい』、『非日常感を演出しやすい』ことに挙げられます。

初心者KPにとってかなり安心して作れる利点です。

 

これが現代社会と同じような世界(俗にシティ)シナリオにおいては、PCの行動範囲が増えることによって『イベントがまばらになる』『行政や警察を頼る』など、KPが予想だにしない行動を取る可能性もあります。

特に警察においては下記が問題になります。

『警察は事情聴取をする必要がある』

これは現代社会でも同じですが、事件が発生した場合は第一発見者や関係者として事件の聴取を受ける必要が出てきます。となると、時間制限が存在する場合はそれだけでデメリットが発生してしまいます。

さらにある意味で言えばこれも『非日常感』ではありますが、ホラー的な『非日常感』とは別なので、雰囲気作りを阻害する可能性があります。

警察は現代クトゥルフ神話TRPGにおいては劇薬的な存在です。注意しましょう。

警察はクトゥルフ神話において扱いに気をつけるべき

話を戻して、クローズドシナリオはPCの選択肢を狭めるという力場を持っています。

なので、イベントを踏ませやすいという利点を持っています。

どういうことかというと、例えば探索者が物を調べる際に

「うーん。この謎について調べたいな…。そうだ、スマホで調べよう」

「うーん。この謎について調べたいな…。そうだ、ここの建物に書庫があったな、そこ調べよう」

どっちが話を膨らませやすいかと言えば後者のほうが、場所を移動する分イベントを増やしやすいですね。

特にクトゥルフ神話TRPGにおいて書庫は重要な意味を持ち合わせているのでPCの動機づけに十分な意味を持ちます。

まあ前者においてはコンピューター技能を使ったりとダイスを使うことや、そもそも載っていないと話せばそれはそれでいいのですが…

個人的に現代スキルを使う前に手足を動かしてほしいというのは間違ってない考えだと思います。

選択肢を狭める=自由度を減らす?

ここで一つPL達が考えるのは「PCの選択肢を狭めるということは自由度を減らすことじゃないか!インチキだ!TRPG辞めます」といった文句ですが

これは間違いなく「NO」と突きつけてください。

これはゲームの遊び方の考えにも繋がってくるのですが、小さい頃に私達はゲームが無い時にはどのように遊びましたでしょうか?

広い校庭、あるのは石のみ。

あるグループは追いかけっ子をしました。あるグループは石を使って地面に落書きしました。あるグループはマス目を作って五目並べをしました。あるグループはドロケイをしました。あるグループは…またあるグループは…はたまた…

いいですか?選択肢が広いからこそ自由度が増えるのではありません。

選択肢が狭いからこそ良い発想が生まれ、自由度が減らないのです。

ただだからといって、その発想自体をPLやPCに任せてしまうと雁字搦めになってしまい身動きが取れなくなります。

KPはそのことに注意しながらシナリオ作成していかないといけません。

 

次回からは具体的なクローズドシナリオの作り方を説明します。

 

シェアお願いします!

コメント

コメントする

目次
閉じる